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Microsoft 365 Virtual Marathon 2021 開催 🏃‍♀️🏃

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去年5月に実施したワールドワイドのコミュニティ イベントである Microsoft 365 Virtual Marathonを今年も開催します! 

M365GVC-VM2021-JPN-FB-RegisterMe

<昨年のイベントに関する記事>

イベントの概要

世界7か国語(English, French, German, Spanish, Portuguese, Japanese, Arabic) での実施を予定しており、全体で60時間連続しての実施です(だからマラソンです!)。ちなみに前回は2日間の実施で36時間でしたが、今回は規模を増やし 3日間、60日間連続実施です! (すごいですよね~)。

今回も全体の実施予定のセッション数は400を超えており、内容も多岐にわたります。日本からも多数のスピーカーが参加予定となっており、前回と同様に日本語トラックを走らせます! 

今のところ、主な内訳(全部ではない)は次の通りです。

  • Power Platform … 70セッション以上
  • Microsoft Teams … 55 
  • SharePoint … 33

イベント自体の実施期間は4/27 夜中の午前2時から4/29 早朝までとなっていますが、日本語トラックは、日本時間の日中で実施します。そのため 日本時間の 2021/4/27-28 の2日間での開催となります。日本語トラックは今年も私がオーナーを担当し、スピーカーも担当しますが、運営側としても様々な準備を進めています。

今回は前回から登壇者が増え、パネルディスカッションも含めると全部で19セッション開催することになりました👏👏

登壇者は皆さん手弁当でして、それぞれ業務時間をうまくやりくりしての資料作りや登壇となります。「役立つ情報を提供したい」との思いで有志一同で実施しますので、参加予定の方もぜひ暖かく応援いただければと思います。

なお前回とは大きく異なる点が2つあります。一つは、前回は Microsoft Teams 上でのライブ イベント機能を使った実施でしたが、今回は Microsoft Teams のチーム会議として実施します。もう一つが、今回もセッションの録画はしますが、録画の閲覧は有料となる予定です。そのため、できる限りオンタイムで参加いただくことをお勧めします。オンタイムでの参加は無料です!! 費用に関して補足すると、現時点では録画を閲覧するには50ドルかかります。日本語トラックでは実施しませんが、その他のトラックではワークショップも開催されます。これに参加する場合は1つのワークショップあたり149ドルとなっています。

Registration add-ons include ALL recordings for $50, individual workshops for $149, or an ALL-ACCESS pass for $349!

参加には事前登録が必要となりますが、日本語でのセッション一覧や登録手順については Microsoft MVP 仲間の太田さんが、Connpass にページを用意してくださっています。登録の手順など含め詳細を説明してくだっているので、内容を確認の上参加登録をしてください。リアルタイムの参加については参加費は無料です。 

Microsoft 365 Virtual Marathon 2021 Japanese Track - connpass

日本語トラックは、上記 Connpass にも掲載していますが、念のためここにも今回の登壇スケジュールを公開しておきます。

JAPANESE トラック Part1 - 4 月 27 日(火)

※表のセッション開始時間は全て日本時間です。

開始時間セッション
4/27 9:00All about Office365 overview 「Office365で何ができるか、その概要をお話しします」
Yoshio Matsumoto
4/27 10:00個人の生産性を上げるために。Office 365 サービスを連携して使おう
Masayuki Mokudai
4/27 11:00これからはじめる Power Platform
Rie Okuda
4/27 12:00Power Platform のはじめかた
Ryota Nakamura
Takashi Shinohara
Teruchika Yamada
Masayuki Mokudai
Hiro Nagao
4/27 13:00僕の Microsoft Teams (+α) 便利技紹介 2021年春
Taichi Nakamura
4/27 14:00Microsoft Dataverse for Teams の裏側をみてみよう
Teruchika Yamada
4/27 15:00SharePoint サイトの自動作成あれこれ
Hiroaki Oikawa
4/27 16:00Power Automate 開発を例にした SharePoint、Power Platform 活用の落とし穴
Fumio Mizobata
4/27 17:00Microsoft Tunnel 概要
Yutaro Tamai
4/27 18:00失敗しない条件付きアクセス Season2 ~ Microsoft 365 E5編
Suguru Kunii

JAPANESE トラック Part2 - 4 月 28 日(水)

※表のセッション開始時間は全て日本時間です。

開始時間セッション
4/28 10:0050分一本勝負!ライブコーディングでMicrosoft Teamsアプリを作ってみる
Takashi Shinohara
4/28 11:00Azure ADアプリケーションを使用した認証のあれやこれ
Takashi Ohkawa
4/28 12:00Microsoft Power Fx as seen by C # programmers. C#プログラマーから見たMicrosoft Power Fxの特徴、勘所
Tetsuro Takao
Fujio Kojima
Yoshio Matsumoto
4/28 13:00カッコいい SharePoint モダンサイトを作ろう
Hirofumi Ota
4/28 14:00資産5管理業務をPower Platformを使って ”劇的に” 改善してみた
Ryota Nakamura
4/28 15:00Power Apps で Excel関数を利用する3つの方法
Hiro Nagao
4/28 16:00Office ScriptsとPower Automate連携による業務効率化
Kinu Asa
4/28 17:00SharePoint モダンポータル 2021 年アップデートと最新のファイル管理方法
Ai Hirano
4/28 18:00それは本当に Automate ? 改めて考える Process Automate
Tomoyuki Obi

 

前回は1日での実施でしたので、2つのトラックを並行した実施となり、参加したいセッションの時間帯が重なることもありました。しかし、今回は1トラックにして、並行開催はしませんので、好きな時間帯で参加しやすくなっていると思います。また、前回にはなかった有識者によるパネルディスカッションも実施します。パネルは次の2つです。

  • Power Platform のはじめかた (4/27 12:00~)
  • C#プログラマーから見たMicrosoft Power Fxの特徴、勘所 (4/28 12:00~)

ちなみに、私の登壇は 4/28 17:00 ~です。内容は少し欲張っていますが、前回からのアップデート情報とファイル管理の部分の最新情報(オンブレのファイルサーバー検索など含む)をコンパクトにお伝えします!

ゴールデンウィーク前ですが、お時間があれば同僚の方もお誘いあわせの上、ぜひご参加ください!!


[Bug] Power Apps - OnStart プロパティが選択できない

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2021年5月15日付で Power Apps に関するバグ情報が公開されています。

Power Apps Guide - Bug - OnStart property missing from designer - impossible to set OnStart formula - Power Apps Guide - Blog

日本語で簡単にまとめておきます。


キャンバス アプリ作成時に、アプリノードを選んだ時に従来であれば OnStart プロパティが選択できるようになっていたのですが、OnStart が選べず既定で OnMessage となってしまいます。

2021-05-17_11-48-29

2021-05-17_11-50-47

修正方法としては本来は作成バージョンを次の手順で以前のバージョンに戻すことです。ちなみに、現在は、3.21051.17 です。

[手順] ファイルメニューを開いて次の手順で作成バージョンを変更する。

2021-05-17_11-56-01

2021-05-17_11-56-50

しかし、この方法でも新規に作成している場合などは戻せません。この場合は次のURLに直接アクセスして、以前のバージョンで作成できる Power Apps Studio ページにアクセスして作業する必要があります。

https://create.powerapps.com/v3.20114.22.171220965/studio/#

つまりは、作り直しです。

このURLにアクセスすると、Power Apps Studio が表示されます。

2021-05-17_12-01-57

ここから通常通りアプリを作成していきます。そうすると OnStart プロパティが復活します!

2021-05-17_12-02-48

 

[回避策] Office Scripts スクリプトを実行することでファイルがロックされる

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  昨年末に次の記事を公開しました。

[Office Scripts] Excel 内のデータを使って SharePoint ライブラリのプロパティを自動設定しよう (weblogs.jp)

この記事で使っていたのは GA 前の Office Scripts でパブリック プレビューでした。しかし、2021年5月27日に General Availability (GA) に達したことが発表されました。

Office Scripts is now generally available in Excel for the web - Microsoft Tech Community

さて、この記事で説明したフローですが、久しぶりにファイルをアップロードして動作させてみると SharePoint コネクターを使ったファイルのプロパティ更新のアクションが実行できない。で、原因を探るためエラーを確認するとファイルがロックされてしまっているようです。

2021-06-16_13-03-28

エラーのメッセージの要点は「ファイル <ファイルパス> は、<フローの所有者> が排他的に使用するためにロックしています。」というところです。Office Scripts 実行時にファイルの内容を読み取っているので、File Open の状態となっているのでしょう。比較のために単純に、SharePoint コネクターだけを使って「ファイルが作成されたとき(プロパティのみ)」のトリガーを使い、次のステップで「ファイルのプロパティの更新」を実行してみますが、特にファイルがロックされることはありません。

さて、これをどう対処しよう。が、結局のところファイルが排他ロックされるとSharePoint 上でファイルが解放されるまで待つしかありません。ですが、どのタイミングで解放されるのかはよくわからない。そこで、Power Automate を使って SharePoint 上のファイルのプロパティを更新するときに何らかの理由でファイルロックに遭遇した人はいるだろうと、なにかよさそうなアプローチがないかネット上で探してみます。予想通り、複数の記事を見つけましたが、結局、みな共通しているのはファイルのロック状態が解除されるまで Do Until で繰り返しトライするしかなさそうです。

まず結果から言うと、5分ほど待機すればロックが解除されるようです(現時点)。

ですが、念のため30秒ごとにロック解除を繰り返し確認するようにロジックを変更してみましょう。まず、ロック状態を判定するために IsFileLockedという名前でブール値の変数を用意します。既定値は true。

2021-06-16_13-36-30

Office Script 実行後すぐにファイルのプロパティを変更していましたが、直後にDo until を追加しこの中に「ファイルのプロパティ更新」アクションを 移動させます。Do until の条件は 「IsFileLocked の値が false に等しい」です。

2021-06-16_13-37-59

次に変数の設定アクションを追加し、IsFileLocked にファイルが引き続きロックされていれば true、そうでなければ false を格納するように式を書きます。

2021-06-16_13-48-18

if
(
  and
  (
    equals(outputs('ファイルのプロパティの更新')?['body']?['status'],400), 
    contains(outputs('ファイルのプロパティの更新')?['body']?['message'], 'ロックされています')
  )
  ,true
  ,false
)
 
ただし、このままでは前のステップが失敗すると次に進まないため、実行条件の構成を行い、成功だけでなく失敗時にもこのステップに進むように変更します。
2021-06-16_13-50-39
あとは、IsFileLocked の値を条件判定して、true なら 30秒待機するように構成します。
2021-06-16_13-51-41
 
以上でファイルアップロード後に5分程度待てば、Excel の内容を読み取り SharePoint ドキュメントライブラリ上の列を自動的に更新してくれるようになるはずです。
 
2021-06-16_14-05-54

なお参考にしたサイトは下記の通りです。

 

AvePoint Japan さんとの共同企画の無料セミナー - 【Microsoft MVP の祭典 2021】

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AvePoint Japan の中村太一さんの企画で下記の通りオンライン イベントを開催します。

私もセッション スピーカーとして5枠あるうちの1枠で登壇しますので、ご都合のつく方は同僚の方などお誘いあわせのうえ、ぜひ、ご一緒にご参加ください! 

2021-06-28_18-24-47

  • タイトル : 【Microsoft MVP の祭典 2021】Microsoft 365 + Power Platform 利活用デモ祭!!
  • 日時 : 2021/7/13 9:30 ~ 15:00 
  • 形式 :オンライン (AvePoint 社が利用しているウェビナー配信の仕組みを使う)
  • 参加費 :無料
  • お申込み :下記のAvePoint 社のページより事前にご参加登録をお願いします。 
    URL : イベントへのお申込み

<<イベントの概要の抜粋>>>

Microsoft 365 をより便利に使いこなしたいという声にお応えして、Microsoft 製品とサービスに関する深い知識をもち、多方面で活躍中のコミュニティリーダーである Microsoft MVP 受賞者が大集結。 各セッション中で「必ずデモをする!」という縛りを課して最前線の様々な利活用方法をお話いただきます。

「 Microsoft 365 ってどんな事ができるのかわからない」
「 Microsoft Teams って他のサービスと組み合わせると便利だというけどピンとこない」
「 Power Platform って名前は聞くし気になるけど使うにまで至っていない」
というかた必見の内容となっています。

「Microsoft MVP って何?」 という疑問をお持ちの方も大丈夫。特別ゲストとしてマイクロソフト コーポレーションのコミュニティ プログラム マネージャーである森口様にもご登壇いただきます。

<<抜粋ここまで>>

登壇予定の内容について

私が何を話すのかということですが、まず対象者から。

私のセッションの対象者の想定 : Power Platform を絡める以上、まるっきり Microsoft 365 がわからないという方ではなく、使い始めたんだけど全体的によくわからないというような方を対象しようと思っています。

セッションタイトル :「Microsoft 365 を使い、よりよい業務環境の在り方と仕事への向き合い方を考えよう​」

Microsoft 365 の全体像を俯瞰し、「結局、Microsoft 365 を導入と何が嬉しいの? どこに向かうの? 」という根本的な話をデモを交えてお伝えしたいと考えています。特に、私の得意とする SharePoint を中心に据えながら、Microsoft 365 を使った場所を選ばない柔軟な働き方にフォーカスをあてつつ、Microsoft Teams、Yammer、Power Platform のそれぞれの特徴を説明するとともに、どのようにそれぞれが連携できるのかを整理します。新しいサービスの Microsoft Viva も少しご紹介し、今後の方向性についても触れます。

さらにもう一つのお楽しみ

私の登壇予定は 13:00 ~ですが、直前の12:00 ~ は登壇者全員参加のテーブルトークを開催します! 話す内容は、その場で皆さんからのリクエスト集めてそれをもとに決定します。ワイワイ、ガヤガヤと楽しく話をする予定です。

皆さんも、昼食をとりながらラジオ番組的な感覚で聞いていただけるといいなぁと思っています。

ちなみに、各セッションは原則録画されますが、テーブルトークの方は録画はありませんのでご注意を!!

最後に

ということで、Microsoft 365 に関する役立つ情報を、登壇者全員で皆さんに楽しくお伝えできればと思っています。

ぜひお楽しみに~♪  

Microsoft Insights - バーチャル コミュート機能 (仮想通勤)

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Microsoft Insights は Microsoft Teams にインストールできるアプリの一つであり、自分の働き方を客観的にとらえるためのものです。ちなみに、この機能は現在パブリックプレビューとなっており、今年の秋に正式リリースを目指しているそうです。

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Viva Insights の画面 (現在 パブリック プレビュー)

このアプリの機能の一つにバーチャル コミュートがあります。これは仮想通勤と訳されますが、リモートワークになってから、仕事の終わり時間があいまいになるのをメリハリつけるための機能です。

設定画面は次の通りです。リマインダーをオンにして、リマインドする時間を指定します。

2021-07-16_14-57-32

では、実際にどのようなことをいざなってくれるのか、私の設定を例に確認してみましょう。

まず、指定した通知時間になると、アクティビティに「切り上げますか?」と通知されます。クリックすると次のような画面が表示されます。[始めましょう]をクリックします。

2021-07-14_20-38-23

「お疲れ様です! お仕事をやり終えると気分がいいですね」というメッセージとともに、Microsoft To Do に登録している「タスク」の進捗確認画面が表示されました。資料は作り終えていたので、気分よく[完了]をクリックして、[次へ]。

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次に翌日のスケジュールの確認です。翌日は定期開催の研修の実施があったので、それが表示されていますね。確認をして再び[次へ]。

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次は1日を振り返ります。今日の気持ちを選択し、自分の心身の状態を客観視します。自分の感情に近い顔を選んで[次へ]。

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最後に、ビデオの音のタイミングに合わせて1分ほど深呼吸します。[次へ]。

2021-07-14_20-41-10

これで完了です。あとは、仕事以外の時間を楽しみましょう。

2021-07-14_20-42-15

 

在宅ワークしている方には、なかなか、良い機能だと思います。

とはいえ、実際には、家族と暮らしていてまだ手のかかる子供がいたりすると、犬のお散歩はもちろん、ランドセルの中身の確認(配布物の確認)とか、宿題の丸つけとか音読とか、子供の習い事の送り迎えだとか、晩御飯の買い物だ準備だ、お風呂だとばたばたなので、ゆっくりと深呼吸して終わりというような優雅な終わり方はできないのですが(そもそも「ママー、何してるの? そうそう、学校でね~」とマシンガントークがさく裂するし)、それでも家族が寝静まる夜中まで仕事をしているときには深呼吸で終わることができたので、ちょっとリラックスできたように思います。

えっ、参考にならない? (笑)

ですが、しっかりと1日を振り返る余裕をもって仕事にのぞめる日が増えるように意識するきっかけにはなりそうです。

皆さんもぜひ、活用してみてくださいね♪

SharePoint で季節ごとにサイトのテーマとヘッダーの背景画像を変えてみる

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SharePoint モダンポータルで作っている弊社のポータルですが、季節ごとにテーマカラーやヘッダーの背景画像を変えています。

備忘録がてら魚拓のようにここにこれまでのものを公開します。なおサイトのテーマは独自に作成しているテーマも使っています。

夏
夏を涼しく過ごせるよう金魚と水をあしらった色合い

 

梅雨
梅雨時用のもので紫陽花色に統一

 

初夏 - 葉っぱ
初夏のイメージ

 

みかん色
みかん色のテーマカラー
冬
冬の雪山をイメージ

 

クリスマス
背景にアニメーション Gif を使い、サンタクロースを走らせる

Microsoft Teams の会議の録画を SharePoint 上で一覧表示する

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Microsoft Teams の録画の保存先はチャットの場合は録画を開始した人の OneDrive for Business、チャネル内での会議はチームに関連づく SharePoint サイトです。

自分が参加した会議の録画を一覧表示したいときには SharePoint の「強調表示されたコンテンツ」Webパーツを使うと便利です。この Webパーツは検索機能を使って SharePoint サイト上から様々な情報を収集できますが、特に「カスタム クエリ」を指定することで柔軟に目的のコンテンツを取得することが可能です。表示されるカードをクリックするとビデオが再生できます。

2021-11-24_19-02-59
この Webパーツのソースとして「すべてのサイトコレクション」を指定するとサインインしているユーザーが閲覧できるすべてのサイト上のコンテンツが検索対象になります。ここには OneDrive for Business も含まれます。検索機能が利用されるときには常にアクセス権限は保持されるため、複数サイトから情報を収集するといっても見えるべきではない情報は検索結果としては表示されないことを覚えておくことが重要です。

さて、次に指定するのがクエリテキストです。ここに次のように指定することで会議の録画のファイルのみを検索機能で取得できるようになります。

ProgID:Media AND ProgID:Meeting

あとは並べ替えの条件で「最終更新日時」などにしておけば、最新の会議の録画の順に並ぶことになります。Webパーツへの表示件数もWebパーツのプロパティで指定できるため最新の録画 10件を表示するといった設定にできます。

2021-11-25_9-28-46

指定した件数以上の録画を確認したければ Webパーツに表示される「すべて表示」をクリックしましょう。


2021-11-25_9-31-00

2021-11-25_9-31-00

こうしたWebパーツを SharePoint ホームに追加しておき、Viva コネクションを構成しておけば Microsoft Teams 内からもいつでも参照できます。

2021-11-25_9-36-31

[参考]

Automatically apply a retention label to retain or delete content - Microsoft 365 Compliance | Microsoft Docs

 

Microsoft Viva ラーニングに SharePoint上のコンテンツを公開しよう

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前回の記事では Viva ラーニングの概要について説明しました。

Microsoft Viva ラーニングとは? (weblogs.jp)

今回は Viva ラーニングに SharePoint 上のコンテンツを公開する方法について説明しようと思います。

Viva ラーニングでは SharePoint サイト上の次のコンテンツを公開できるようになっています。

  • Word, PowerPoint, Excel, PDF ファイル
  • オーディオファイル (.m4a)
  • ビデオ (.mov, .mp4, .avi)

事前準備

最初に Microsoft 365 の管理者または知識管理者の役割を付与されたユーザーが Microsoft 365 管理センター上から SharePoint をプロバイダーとして利用できるように設定する必要があります。Viva ラーニングにコンテンツを公開するための中央サイトとして利用するサイトが必要となるため、新規にチームサイトまたはコミュニケーションサイトを作成しておくとよいでしょう。新規に作成したほうが権限管理が煩雑になりにくいためです。

Microsoft 365 管理センター上の[管理]>[組織設定]の順にアクセスし、[Viva Learning]をクリックします。ここから SharePoint の項目をチェックし、事前に用意したサイトのURLを指定して[保存]します。

2022-01-25_11-01-00

これにより指定したサイトに Learning App Conetent Repository という名前のリストが自動生成されます。ここに、Viva ラーニングに公開したい任意のサイトのドキュメント ライブラリまたはフォルダーの共有リンクを追加します。動画などは SharePoint の制限付きビューの権限を付与した状態でリンクを公開すると勝手にファイルがダウンロードされることが防止できます。なお、このリストに対する閲覧権限をユーザーに付与しておかないと Viva ラーニング上に公開されないので注意してください。

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リストに登録したライブラリ側では 1行テキストの列を Description という名前で追加します。あとは、ファイルをアップロードしプロパティを編集するときにタイトルとDescription (説明)を指定します。

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設定が反映されるまで半日程度かかるので、設定したら一晩寝かせましょう。権限を変更した場合なども同様です。

利用方法

あとはコンテンツを利用するだけとなるのですが、ここまでの手順を振り返りつつ使い方をビデオにまとめているのでご確認ください。


Microsoft 365 - 組織のロゴを設定しよう

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Microsoft 365の組織全体設定として会社のロゴを設定できます。

Enterprise-Logo

私の会社では独自のロゴを指定しています。このロゴは単に表示するだけでなく、リンク先を任意に指定することも可能です。既定ではリンク先は Office.com ですが、私が管理するテナントでは SharePoint ホームサイトにアクセスできるようにURLを指定しています。

設定手順

その設定は組織全的の設定であるため、テナントの管理者がMicrosoft 365 管理センターから設定する必要があります。

まず[設定]>[組織設定]にアクセスし、[組織のプロファイル]タブをクリックします。

2022-02-05_13-18-37

次に[カスタム テーマ] をクリックします。

2022-02-05_13-23-01

 

ここではカスタム テーマを作成することもできますが、今回は「既定のテーマ」をクリックして編集します。

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※カスタム テーマの作成方法の詳細は下記の情報をさんしょうしてください。

組織のテーマをカスタマイズする - Microsoft 365 admin | Microsoft Docs

ロゴ タブをクリックすると、既定のロゴの設定ができるようになっています。

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既定のロゴ

既定のロゴは任意の画像のURLを指定するか直接アップロードできます。ただし、アップロードできるのは、既定のテーマを編集する場合だけです。

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URL を指定する場合は、HTTPS を使用する必要があります。また匿名アクセスを許可し、認証を必要としないものを利用します 。

アップロードする場合は10 KB 未満のロゴ 画像を指定しましょう。画像は、JPG、PNG、GIF、または SVG 形式のいずれかが利用できます。 SVG イメージの場合は、垂直方向に 24 ピクセルに収まるサイズに自動的に変更されます。 JPG、PNG、GIF 画像は、200 x 48 ピクセルに合わせて拡大縮小されますが、ロゴの縦横比は常に保持されます。

代替ロゴ

代替ロゴは Microsoft 365 でダークテーマを利用する際に使われます。代替ロゴはURLを指定する必要がありすまが、その他の要件は既定のロゴと同じです。

オンクリック リンク

ロゴをクリックしたときのリンク先です。指定しなければ既定では Officeホームページ (Office.com) が設定されます。このテナントでは SharePoint ホームサイトのURLを指定しています。

 

 

[Excel] Office Script のスクリプト ボタン機能

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2021年11月に Office Script にボタン機能が登場しました。

Announcing buttons for Office Scripts: Run scripts with a workbook button - Microsoft Tech Community

Office Scripts は 次のライセンスを持っているユーザーが利用できる Excel for the web (Excel の Web版)で利用できるスクリプトであり、OneDrive for Business や SharePoint サイトに保存した Excel ワークブック上でスクリプトを書いて実行します。使用する言語は基本的に TypeScriptです。テナントの管理者によってはこの機能をオフにしてあることがあるので、自分の組織で利用できるかどうかは確認しておきましょう。

  • Office 365 Business
  • Office 365 Business Premium
  • Office 365 ProPlus
  • Office 365 ProPlus デバイス用
  • Office 365 Enterprise E3
  • Office 365 Enterprise E5
  • Office 365 A3
  • Office 365 A5

ちなみに、Office Scripts に関しては過去に次のような記事も公開しています。

[Office Scripts] Excel 内のデータを使って SharePoint ライブラリのプロパティを自動設定しよう

SharePoint のドキュメント ライブラリでは任意のプロパティを持たせることができます。

このスクリプトの実行は、上記記事でも紹介したように Power Automate から呼び出すことができるためExcel 外部からデータを渡して、Excelワークシート内にデータを挿入していくことなどが可能です。これに加えて、先に紹介したブログにあるように新たに Office Scripts を Excel シート内に配置したボタンから呼び出せるようになったのです。

[参考] Create a button to run an Office Script (microsoft.com)

簡単なコードで試してみました。今回は OneDrive for Business に作成した Excel ファイルをブラウザーで開き、[自動化]タブからスクリプトを用意します。今回は簡単なおみくじ機能。この例では "おみくじ" という名前で保存しています。

2022-02-09_12-55-55

さて、シート内でボタンを配置したい位置付近の任意のセルを選択したら、コード編集ペインから ... をクリックして[ボタンの追加]をクリックします。

2022-02-09_11-51-13

これでシート内にボタンが追加されます。見た目などはボタンを右クリックすると変更できます。

2022-02-09_11-51-38

では実行してみましょう。※ちなみに、今日の運勢の横に表示される絵文字は単に Excel の式で書いているだけで、Office Scripts はつかっていません💦。

SharePoint 上のページに埋め込めるのか? 

Excel ファイルはファイルビューアー Webパーツを使えば SharePoint 内のページに埋め込めます。また Excel for the web の共有機能を使えば埋め込みタグを生成できるので、これを埋め込みWebパーツに配置することもできる。では、こうしたページ内からボタン スクリプトは実行できるのだろうかと実験してみました。

が、残念ながら動きませんでした。まぁ、欲を言えば、ボタンクリックで Power Automate のフローが呼べるといいなぁと個人的には思っています。Power Automate からは呼び出せますが、逆が手軽にはいかない。。。

ボタンの削除

ちなみに、このボタンの削除ですがスクリプトの[共有停止]で削除されます。

2022-02-09_14-33-12

つまり、ボタンを追加したときに、共有されているということですね。なるほど。では、どのように共有されているのか? と確認してみると Office Script ファイルの実体が格納されている OneDrive for Business 上のファイルの共有リンクが生成されています。既定では組織内のすべてのユーザーがこのファイルにアクセスできるようになっています。

2022-02-09_15-01-41

ファイルの共有

試しにファイルを共有し、他のユーザーでファイルにアクセスしてみます。このスクリプトは Excel ワークシートに直接書き込むことになるため、閲覧のみの権限だとボタンを実行することができません。編集が可能な権限を付与する必要があります。実際に実行しようとすると、毎回、このスクリプトの実行許可を求められます。Allow または 許可をクリックすると実行できます。

2022-02-09_18-53-37

なお、Excel ファイルを複数ユーザーで同時編集しているときもボタンを押すことができません。

 

Windows 版の Excel 上からの実行


スクリプトおよびボタンの追加は Excel for the web 上から行う必要がありますが、新機能として2022年1月26日付で、Microsoft社の Office Insider サイトのブログに"Run your Office Scripts using a button in Excel for Windows (Windows版Excelのボタンを使ってOfficeスクリプトを実行する)" という記事が公開されました。

Office Insiders

Become an Insider: be one of the first to explore new Microsoft 365 features for you and your business.

ボタンによるスクリプト実行は Webブラウザー上からはだけでなく Windows版の Excel からも行えるようになる!

ただし、この Windows 版の Excel からの呼び出しは、2022年2月現在 Office Insider の Beta Channel Version 2202 (Build 14922.2000)以降に限定されており、まだ正式リリースではありません。また、現在順次ロールアウト中とのことで、まだ私の環境では試せていません😣

確認が取れ次第、この記事は、適宜アップデートしたいと思います。

 

SharePoint Syntex のモダンテンプレート機能 (ファイル管理機能)

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SharePoint Syntex は SharePoint サイト内のドキュメント ライブラリに格納されるファイルを AI によって解析して、ファイルを識別し、メタデータを抽出したり、コンテンツタイプを判別して自動的に適用できるサービスです。2021年の1月に.NETラボ勉強会で概要などを説明しているので、SharePoint Syntex のご存じない方はそちらも参照してください。

[.NETラボ勉強会] SharePoint Syntex についてのセッション録画および資料公開 (weblogs.jp)

この機能を利用するには追加契約 (Office 365 ライセンスへのアドオン)が必要で、月額ユーザー当たり540円 (年間契約)となっています。ライセンスの詳しい情報は下記に公開されています。

SharePoint Syntex | AI コンテンツ サービス | Microsoft 365

モダンテンプレート機能 (コンテンツ アセンブリ)

さて、この SharePoint Syntex に新たな機能として「モダン テンプレート (最新のテンプレート)」機能が追加されました。

多くの組織ではファイルは一から作成するのではなく既存ファイルを部分的に修正して再利用することが多いものです。このことを踏まえて、マイクロソフトは SharePoint Syntex に「コンテンツ アセンブリ」という概念を導入し、新たなドキュメント作成のアプローチとして Word ファイル生成時にリストやライブラリの列の情報を再利用できるように「モダン テンプレート」を追加しました。この機能が利用できるのは SharePoint Syntex のライセンスを持つユーザーだけです。

Microsoft のコンテンツ アセンブリを使用してドキュメントを作成SharePoint Syntex | Microsoft Docs

この機能が利用できるとき、ドキュメントライブラリの[新規]メニューに[新しいドキュメント テンプレート]が表示されます。

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これをクリックするとローカルPC上のファイル選択画面が表示されるため テンプレートとして利用したい Word ファイル (.docx)を選択します。すると次のようなテンプレート作成画面が表示されます。手順はビデオを参照してください(音声なし)。

ビデオ内でもあったようにテンプレート内にプレースホルダーを追加できるのですが、選択肢は「ユーザーがテキストまはた日付を選択する」または「リストやライブラリの列を選択する」の2つです。

リストやライブラリの列を選択するとき、参照列は選べないので注意しましょう。利用できる列の種類は現在のところ次の通りです。

  • 1行テキスト
  • 複数行テキスト
  • 場所 
  • 日付と時刻
  • 選択肢
  • はい/いいえ
  • ハイパーリンク
  • 通貨
  • 数値
  • ユーザーとグループ
  • 集計値

テンプレートを公開したら、このテンプレートからファイルを生成します。この時、編集できるのはプレースホルダーのみです。これも手順をビデオにしています。

プレースホルダーの値を入力するときリストを使っている場合は便利な挙動をしてくれます。同一アイテムの列をプレースホルダーとして複数している場合は、一つアイテムを選ぶと自動的に他の列の値も充填してくれます。

例えば、この例だと、受講者名を選ぶと組織名も一緒に充填される。コース名を選ぶと開始日と終了日が一緒に充填されます。

保存した結果生成された Wordファイルは次の通りです。

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今後の展望

現時点ではリストやライブラリの列の再利用のみですが、今後、3rdパーティが提供するデータなども取り込めるよう機能を拡大していく予定となっているそうです。詳しくは次の YouTube をどうぞ。

[Power Apps] キャンバスアプリをコピーするには?

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Power Apps のキャンバスアプリを作っていて、少しだけ変更して別のアプリを作りたいことがあります。一見すると、アプリ一覧にはコピー相当のメニューが見当たりません。

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「あれ、コピーできないのか😣」となるところですが、答えは簡単。アプリ編集時に別名で保存すればいいだけです。覚えておきましょう!

アプリのコピー

[Microsoft Teams] 監視ありチャット機能を利用する

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主に学校などの教育機関向けの機能として用意されているのが「監視ありチャット機能」です。商用テナントでも利用できます。

これは教師がその場に居合わせなければ、生徒同士でチャットできないようにするための機能です。チャットそのものをオフにしてしまうと不便であるため、監視役として先生がその場で立ち会うことを条件に生徒間でチャットを許可するわけです。

チャットの権限の役割をユーザーに割り当てる

チャットの権限には次の3つがあります。

📌すべての権限 (Full permission)

どのユーザーともチャットを開始できるため、他の先生やスタッフ、生徒全員とチャットできるということです。監視役の教育関係者にこの役割を割り当てます。

📌限定された権限 (Limited permissions)

完全な権限を持つユーザーおよび限定された権限を持つユーザーとはチャットできますが、制限されたユーザーとはチャットを開始することはできません。この役割は、生徒へのアクセスは監視下だけに限定され、他のスタッフや教育関係者へは常にアクセスできる立場スタッフに最適です。

📌制限付き権限 (Restricted permissions)

完全な権限を持つユーザーとだけチャットできます。完全な権限を持つユーザーが招待する会話に参加できます。

----------------------

権限の役割の割り当ては、Microsoft Teams管理センターの「メッセージングポリシー」内の[チャットの権限の役割]で行います。

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※PowerShellを使う場合は ChatPermissionRoleポリシーを使います。

監視つきチャットを設定する

チャットの役割を指定したら、テナント全体での「監視付きチャット」を有効化します。この機能は既定では無効です。Microsoft Teams 管理センターの「Teamsの設定」で「役割ベースのチャット権限」をオンにします。

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機能の検証

機能を検証するために3つのポリシーを用意しました。

  • Students…制限付き権限
  • Teachers…すべての権限
  • Staffs…限定された権限

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検証用に用意した各ユーザーは次の通り。

Students ポリシーを割り当てたユーザー

  • 浅田 裕子
  • 横田 和馬

Teachers ポリシーを割り当てたユーザー

  • Ai HIRANO

Staffs ポリシーを割り当てたユーザー

  • John Smith

生徒同士での会話を試す

横田さん⇒浅田さんにプライベートチャットを送ってみます。これは送信できません。

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生徒から先生に直接チャットする

生徒から先生へ (この場合は横田さん⇒HIRANO) の直接のチャットも禁止されます。

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先生が生徒をメンバーとしたグループチャットを開始する

先生が生徒(横田さん、浅田さん)を追加してグループチャットを作成すると、生徒同士でもグループチャット内でやり取りができるようになります。

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先生がグループチャットから退出する

先生がグループチャットから退出しようとすると、退出できないというメッセージが表示されます。監視役の人はいなくなるわけにはいきません。

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スタッフから生徒にチャットする

スタッフから直接、生徒とチャットすることはできません(この場合は、John さん⇒ 横田さん)

スタッフから先生にチャットする

スタッフは先生とはチャットできます。もちろん、スタッフ同士もチャットできます。

スタッフが生徒を含むグループチャットに追加される

スタッフが生徒を含むグループチャットに追加されると、グループチャット内では生徒ともチャットすることができるようになります。

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ちなみに、この機能はあくまでも「チャット」に限定したものであり、チーム内での会話はチームメンバー全員が閲覧できる状態となるため、チャネル内では問題なく投稿しあうことができます。

参考

監視ありチャットを使用する - Microsoft Teams | Microsoft Docs

 

Microsoft Lists - MSA (Microsoft アカウント) Preview と Microsoft 365 版との違い

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現在、Microsoft Lists の MSA (Microsoft アカウント) 利用のプレビューが行われています。先着 20万あかうんとまで無料で試用できます。

Microsoft Lists - MSA Preview | Microsoft 365

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Microsoft アカウントとは (簡単解説)?

本機能に触れる前に Microsoft アカウントについて説明しておきましょう。Microsoft Teams を使っている学校の配布資料を見ても時々、 Microsoft アカウントをあいまいに書いてあったりします。まぁ、わかりにくいんですが。

まず、Microsoft が提供するクラウド環境でのアカウントは個人で管理するもの組織で管理するものとの2種類があります。基本的には個人アカウントは無料で作成でき、組織アカウントは多くが有償です。

Microsoft アカウントといえば、個人でサインナップして管理するアカウントを指します。個人の場合はたいていは、○○@outlook.com などのメールアドレスを持っています。

Microsoft アカウントとは

組織で管理するアカウントとしてはMicrosoft 365 (Office 365 も含む) を組織や学校で使っている場合は、利用するアカウントは一般的に「組織または学校のアカウント」と呼ばれます。アカウントの管理を組織で一元的に管理します。

ついMicrosoft 社が提供するアカウントだからと大雑把に「マイクロソフト アカウント」と書きがちです。ですが、意味があって用語が分かれているので、こう書いてしまうと組織管理とそうではないものの区別がつきにくくなってしまいます。一般ユーザーにはなじみがないからと、妙に変えてしまうのはあまりいいことではないように思っています。IT に携わる人は、Microsoft 365 を使っている組織のアカウントは Microsoft 365 アカウント、個人所有のMicrosoft アカウントは MSA と略語で呼んで区別することが多いようです。Microsoft 社がそうしていますし。

Microsoft Lists with MSA

さて、本題の Microsoft Lists with MSA ですが、これは文字通り個人アカウントで利用できる Microsoft Lists であり、Microsoft 365 の契約なしで使えます。ですが、本来この機能は Microsoft 365 で提供される SharePoint の一部であり、どんな機能差があるのだろうと興味がわきます。

そこでざっと比較検証した結果を下記にまとめておきます。機能的には有償である Microsoft 365 版のMicrosoft Lists の方が基本的には多機能です。ただ、MSA版の方が最新機能がいち早く追加されている部分もあります。

まずMicrosoft 365 版と画面はほぼ同じですが、リストの作成画面に Excel から作成する代わりにCSVから作成できるようになっているのが違います。提供されるテンプレートも同じです。Microsoft 365 の場合は組織で独自に用意したリスト テンプレートを使うことができますが、MSA 版はそれがありません。

MSA 版Microsoft 365 版
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リストを作成する際に Microsoft 365版は作成先となる SharePoint サイトまはたマイリスト(OneDrive for Business) を選択できますが、MSA盤にはそれがありません。

MSA 版Microsoft 365 版
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リストの操作画面にも違いがあります。リスト作成後に、MSA版はグリッドビューの編集画面になります。一方の Microsoft 365 版はそうはならない。他にもコマンドバーのメニュー構成やビューの設定が異なります。

MSA 版Microsoft 365 版
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先頭のタイトル列を固定する機能はMSA版では標準利用できるので横にスクロールしやすいのですが、Microsoft 365 版はまだ利用できません。またフィルターも MSA 版の方が最新版で、リストの上部からフィルター条件を素早く削除することもできるようになっています。

MSA 版Microsoft 365 版
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追加できる列も異なります。MSA では集計値や参照列は使えません。

MSA 版Microsoft 365 版
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列の設定が異なっており、グループ化表示できないのと、合計値などは出せません。

MSA 版Microsoft 365 版
2022-03-01_10-26-432022-03-01_10-26-54

列の書式やビューの書式はどちらも同様に利用できます。

MSA 版Microsoft 365 版
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リストの設定ページはMSA版では提供されておらず利用できるのはごみ箱のみです。

MSA 版Microsoft 365 版
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リストの共有リンクの設定は MSA 版は OneDrive (for Business ではない一般消費者版) とほぼ同じですね。一方のMicrosoft 365 版は SharePoint サイト側で権限管理ができます。

MSA 版Microsoft 365 版
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そのほか、検索機能はMSA版では提供されていません。Preview で特に気になるのは日付ですね。これがU.S 表記になっているのですが、ロケール変更ができないので面倒です。

色々と違いはありますが、Preveiw 版ですし、これだけの機能が個人利用できるのはうれしいです。ちょっとした台帳管理などに便利に使えるのではないでしょうか?

既定の SharePoint グループとサイトの権限管理の基本を把握しよう!

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SharePoint サイトを作成すると既定で3つの SharePoint グループが作成され、それぞれのグループに対してサイトのアクセス許可レベルが付与されるようになっています。

例えば Business Travel というサイトを作成すると次の3つのグループが作成され、アクセス許可レベルが付与されます。

  • Business Travel 所有者…フルコントロール
  • Business Travel メンバー…編集
  • Business Travel 閲覧者…閲覧

基本的にはこの3つのグループをうまく活用してサイトを管理していくことになります。

ところでこの SharePoint グループは、管理画面を利用していると権限管理との関係性がわかりにくいものです。特に、サイトの権限管理画面からグループを削除したように見える操作は多くの利用者が混乱します。SharePoint グループとサイトの権限管理の関係を把握し、もしサイトに対する権限を削除してしまった場合でも復元する方法を知っておきたいものです。

次のビデオでは、既定の SharePoint グループとサイトのアクセス権限の関係を説明しています。間違って権限を削除した場合に、元に戻す手順も解説しています。

※ビデオで解説しているサイトは Microsoft 365 グループが紐づかないサイトを使っています。Microsoft 365 グループが紐づいていても原理は同じです。

権限グループと既定の SharePoint グループの関係

サイトの歯車アイコンから[サイトのアクセス許可]をクリックすると表示される次の3つを権限グループと呼びます。

  • サイト所有者
  • サイト メンバ
  • サイト閲覧者

2022-03-10_18-46-23

この画面上からユーザーやグループに対してフル コントロールを割り当てると「サイト所有者」に所属します。また、編集を割り当てると「サイト メンバー」に所属します。読み取りを割り当てると「サイト閲覧者」に所属します。

この権限グループは内部的には次の図に示すように既定の SharePoint グループと既定で付与されるアクセス許可レベルと連動しています。

権限とグループの関係

そもそもこの権限グループは、権限管理をシンプルにするために後から追加された機能です。

従来は SharePoint グループを直接利用していたのですが、実際操作してみると分かりますが、設定手順が込み入っていてわかりにくい難点があります。この仕組みは SharePoint Server 2007 のころからあるもので、UI設計が古いためです。

そこで、より簡単にユーザーが管理できる仕組みとしてこうした権限グループを使えるようになってきているのです。

既定の SharePoint グループを最初から付与されているアクセス許可レベルをそのまま利用する前提で、この権限グループと連動するようになっています。したがって、これらのグループに対するアクセス許可レベルを変更すると、せっかくの権限グループが連動しなくなってしまいます。

もしうっかり既定の SharePoint グループのアクセス権限を削除してしまった場合は、最初のビデオで説明したように権限の付与をし直せば連動は復活します。

SharePoint グループの削除

SharePoint グループ自体を削除することもできます。

2022-03-10_19-25-46

サイトへの権限が削除されただけなら元に戻すのは容易ですが、もし既定の SharePoint グループそのものがなくなってしまうともとに戻すのは少し面倒です。

既定の SharePoint グループを作りなおす

既定の SharePoint グループを削除してしまった場合は、一番、簡単なのは作り直すことです。これには「このサイトのグループのセットアップ」画面を利用します。この画面は次のURLからアクセスできます。

https://<サイトのURL>/_layouts/15/permsetup.aspx

例えば、サイトのメンバーグループを削除してしまったとしましょう。このページにアクセスすると次のような画面が表示され、このサイトように既定のグループを新しく作ることができます。あとは、このまま[OK]をクリックするだけです。

2022-03-10_19-32-49

これで権限グループが再び正常に利用できるようになります。

 

アクセス権限管理の詳細は書籍「ひと目でわかる Microsoft 365 運用管理編」の第14章でも説明していますので、そちらも併せて確認してみてください。

 


[Power Automate] SharePoint のページを別サイトにコピーしよう

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SharePoint サイト(※モダンサイトです) でサイトページまたはニュースを作成していて、ついうっかり目的のサイトではないところに作成してしまうことがあります。しかし、サイトのページライブラリで操作メニューを確認してもページのコピー先は同一サイトに限られます。残念ながら既定ではサイト間でのページのコピー機能は用意されていません。ですが、どうしても別サイトに一から作成しなおすのは大変だということもあるでしょう。

そんな時には、Power Automate を使ってサイト間でページをコピーするのが最も手っ取り早い方法です。ただし、この場合も注意しなくてはいけないことがあります。まず、コピーしたときには元のサイト内のコンテンツのリンクを持っているとそのままコピーされることになるので、アクセス権限の設定状況によってはユーザーが画像やファイルなどのコンテンツを参照できないかもしれません。また、リストWebパーツやドキュメント ライブラリWebパーツを追加している場合も、もともと同一サイト内にリストやライブラリがある前提となっています。そのため、同一の名前のリストやライブラリがコピー先のサイトにあればそれを取得することになりますが、当該するものがなければWebパーツは空になります。

このように、いつかの懸念事項があるため技術的にはコピーできるものの、運用上のユーザーが混乱することを懸念して、既定では別サイトに安易にコピーができないようになっているのではないかと推測しています。ですから、Power Automate が使えるからと言って安易に利用せず、注意深く利用するようにしてください。

事前準備

今回はSharePoint コネクターの「ファイルのコピー」アクションを使いますが、このアクションでは、コピー元のサイトの「サイトのページ」ライブラリのGUIDが必要です。これを手軽に取得するには、まずサイトのページライブラリの「設定」ページにアクセスすることです。このページを表示しているときのURLを確認しましょう。

2022-03-25_12-52-59

例えば、URLは次のようになっています。

https://<サイトのURL>/_layouts/15/listedit.aspx?List=%7B39a28bb9-3567-475b-a289-f54555841fc8%7D

この末尾の List=の部分がサイトのページライブラリのGUIDです。%7B は "{" のことで %7D は "}" のことです。そのためこのライブラリの GUID は 39a28bb9-3567-475b-a289-f54555841fc8 ということになります。サイトのページライブラリの GUIDは Power Automate から取得することもできますが、フローを実行することなくWebブラウザーだけでさっと確認できるためこの方法も覚えておくとよいでしょう。

フローの構築

今回のフローでは SharePoint コネクターの「選択したファイルの場合」トリガーを利用します。これにより、いつでもコピーしたいページから直接フローを開始できるようになります。ただし、この「選択したファイルの場合」トリガーを使う場合はフローは必ず既定の環境に作成するようにしてください。

なお、ライブラリ名はドロップダウンからは選択できないためカスタム値として先ほどの GUID を指定しましょう。

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次に「ファイルのプロパティの取得」アクションを追加します。ここではトリガーと同じサイトのアドレスとライブラリ名を指定します。IDは「選択したファイルの場合」トリガーで取得したIDを指定します。

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最後に「ファイルのコピー」アクションを追加します。

現在のサイトのアドレスはコピー元のサイトを選択します。コピーするファイルは「ファイルのプロパティの取得」アクションで取得した識別子を選択します。

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送信先サイトのアドレスはコピー先のサイトのアドレスを指定します。インストール先フォルダーはフォルダーアイコンをクリックして SitePages を選びます。

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別のファイルのがすでに存在する場合の指定は、今回は Copy with a new name を選択します。

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あとはフローを保存して、コピー元のサイトの「サイトのページ」ライブラリから任意のページを選択して、フローを実行するだけです。

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Microsoft 365 Virtual Marathon 2022 - 今年も開催します!

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2020年から始まった World Wide で同時開催される大規模な Microsoft 365 のコミュニティイベントである「Microsoft 365 Virtual Marathon 2022 」が今年も開催されます! 

おかげさまで、今回で3回目の実施となります。

過去の関連記事は👇です。

今年のイベント概要は次の通りです。

🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀

M365VM2022-web-cover-wide

日程 :日本語セッションは日本時間の 2022年5月5日、5月6日の2日間の日中

実施方法: Microsoft Teams 会議

参加費 :無料

事前登録 :必要 ⇒ Microsoft 365 Virtual Marathon (m365virtualmarathon.com)

イベント ハッシュタグ : #M365VM

このイベントは有志による最大規模のMicrosoft 365 コミュニティイベントであり、米国時間の2022年5月4日から6日にかけて開催される、60時間連続実施の無料オンラインイベントとなっています。世界中からスピーカーを招き、どこかで必ずセッションが進行するため「マラソン🏃」と称しています。Azureを含むMicrosoft 365のさまざまな部分について、私たちと一緒に語り合いましょう。

英語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語のセッションがあります。英語セッション(Microsoft Teams限定)は全てライブキャプション付きです。

🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀

イベントでは Microsoft 本社の Corporate Vice President である Jeff Teper 氏をはじめとする著名な方々によるキーノートも用意されています。

私は最初の年から主催者側サポートとして日本チームのリードを担当してきており、今年もチームの取りまとめを担当しています (登壇もします!)

今回は、日本語セッションは全部で31セッションを予定しています! 毎回登壇いただいているおなじみの方はもちろん、新規登壇メンバーも加わります。Power Platform 関連のコンテンツが充実しているだけでなく、今年は教育関係の話も伺いたくお声がけして新たにお二人の先生にも登壇いただく予定ですので、Office 365 を利用している教育機関の方で ICT に携わっている方も必見です! 

<セッションタイトル一覧>

  • Microsoft 365 グループ の歴史と制御
  • SharePoint Syntex を使ったドキュメント管理
  • Viva Insights 活用します?
  • おおたさん、たいちさん、もくだいさんの新機能リリースから見る Microsoft 365 の未来
  • よく聞く「SharePoint リストの 5,000 件問題」ってなんなの?
  • 僕の Microsoft Teams (+α) 便利技紹介 2022年春
  • 最近の SharePoint に関するパネルディスカッション
  • [List Formatting] リストに変身魔法をかけてみよう!
  • Microsoft 365 Zero Trustアプローチ
  • Microsoft Teamsの会議アプリ開発のはじめかた
  • VBA開発者のためのOffice スクリプト入門
  • msal.jsのあれこれ
  • Office Dev MVPがすべて話します!Microsoft 365開発座談会
  • Viva Connections 拡張機能入門
  • 日本におけるGIGAスクール施策~小学校における端末活用~
  • PowerPointとMicrosoft Teamsをさらにユニバーサルデザインに
  • 新型コロナ感染症の蔓延で日本の高等学校ではMicrosoft 365の活用がどう展開されたか
  • 日本全国の高等学校で始まるBYODの現状
  • Azure AD B2B でビジネスパートナーとコラボレーション
  • 失敗しない条件付きアクセス Season3
  • Bing MapsカスタムURLをPower AppsとPower Automateで使ってみた
  • Dataverse for Teams 入門
  • DX365 Journey wiz Microsoft Business Applications
  • Microsoft 365の中でのPower BIの利用
  • Power Apps デバッグテク n選
  • Power Apps 今昔物語
  • Power Platform管理者が考えておきたいこと
  • あなたが作りたいアプリ、どのデータソースを選べばいいか、教えます!
  • 今日から始めるPower Appsでのコンポーネント開発
  • 様々な現場のPower Platform
  • 組織でPower Virtual Agents を導入するために知っておきたいこと

多くの方のご協力を得て、昨年よりさらに魅力的の増したイベントになりそうです! 
日本語以外の言語のセッションも数百実施される予定です。楽しみですね。

セッション情報の詳細に関しては同じ Microsoft MVP 仲間である 太田浩史さんに今年も Connpass に情報ページを作成していただきました! まだタイムテーブルはこれから決定するのですが、まずはどんなセッションがあるかご確認いただき、ぜひ、イベントにご参加ください! 

Connpass ⇒ Microsoft 365 Virtual Marathon 2022 Japanese Track - connpass

 

共同開催セミナーのお知らせ(2022/4/19): 今さら聞けない!? SharePoint のアクセス権限について Microsoft MVP に教わろう!

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去年に引き続き今年も AvePoint Japan さんとの共同開催のオンラインセミナーを実施します!

2022年4月19日の12:05~の小一時間のランチタイム セッションです。

今回のお題は「今さら聞けない!? SharePoint のアクセス権限について Microsoft MVP に教わろう!」。

Learn-about-SharePoint-permissions-from-a-Microsoft-MVP_Optin-Banner-674x250COVID-19 の影響により、自宅などからのリモートワークと会社での業務とのハイブリット型のワークスタイルが広まってきています。それに伴い Microsoft Teams の導入が多くの組織で進み、これに共にい Teams とは切っても切り離せない関係にある SharePoint の利活用のニーズも増大してきています。

日々の業務の中で頻繁に使われるのはチャットとファイル共有です。特にファイル共有に関しては、単に会話の中でファイルをやり取りするだけにとどまらず、SharePoint 上での体系立てたファイル管理が今まで以上に重要になってきています。ファイル管理で重視すべきは「探しやすさ」「見つけやすさ」。これを担保しつつ、不必要な情報共有がされないようにセキュリティをしっかりと確保する必要がある。

そこで今回は SharePoint のアクセス権限の考え方について、ファイルの管理のありようも含めてコンパクトにお伝えしていきます。今後の組織内のファイル管理を改善して行くうえでのヒントをちりばめていきます。

参加には事前登録が必要ですが、費用は無料です。お時間のご都合のつく方はぜひご参加ください! 

事前登録はこちら👇

今さら聞けない!? SharePoint のアクセス権限について Microsoft MVP に教わろう! | AvePoint Japan

 

 

SharePoint のファイル管理機能をどう使っていくべきか?

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File-SharePoint

COVID-19 の影響も後押ししているようで、多くの組織で急激に Microsoft Teams の導入が進み、同時に Power Platform の人気もあり  SharePoint を意識的に使い始めた人も増えているようです。Teams では SharePoint は切っても切り離せない関係にありますし、Power Platform と SharePoint を連携させる業務も多いため当然といえるでしょう。20年弱 SharePoint に携わり続けている私としては、かつてに比べて SharePoint の認知度が随分と上がっていて(それでも知らない方がもちろん多いんですが)、感慨深く思っています。

Hitome-m365-sharepointちなみにTeams と SharePoint の関係性については昨年末に日経BP社より発行した拙著『ひと目で分かる Microsoft 365 SharePoint 運用管理編』で詳しく説明しています。気になる方はよければ一読してみてください。

 

さて、SharePoint には次の大きな柱の機能があります。

  • ポータル機能
  • ファイル管理 
  • 簡易データベース(Microsoft Lists)

タイトルにあるように、今回はこのうちのファイル管理について、私なりの見解を共有したいと思っています。とはいえ、実は2年前にもこの話をブログに書いていて、基本的な指針は変わっていません。未読の方は、ぜひ、過去の記事も一読してみてくださいね。

SharePoint でのファイル管理について考える (weblogs.jp) (2020/1/18)

とはいえ2年前の1月といえば、まだコロナ禍直前。状況がまた変わってきているため、今回は、前の記事を補足する形で書き進めます。

プラットフォーム化する SharePoint 

現在、SharePoint 上でのファイル共有というのはMicrosoft 365 上でユーザーが意識することなく、いつの間にか利用するファイルがSharePoint で管理されているという状況になってきています。これはファイル管理の基盤 (プラットフォーム) として浸透してきているといっていいでしょう。これはオンプレミス(社内設置型)の SharePoint でそうなるだろうと予想されてきた流れではあります。

余談ですが、こうした状況はMicrosoft 社の開催する大規模な技術者向けのイベントなどでも伺えます。数多くあるセッションを見ても、タイトルにあえて SharePoint というキーワードは出されていないことが多くなっており、実際にセッションに参加すると説明の中では当たり前のように SharePoint が使われていたりするのです。

ですが、意識されないことが裏腹に抱える問題点にも注目しなければなりません。

ファイル サーバーの抱える課題と SharePoint 

ちょうど先週末に Twitter で次のような発言をしたところ思いのほか共感いただいたようです。それもあって改めてこのブログを書こうと思うに至ったわけです。

SharePoint でファイル管理したいと考え、ついファイルサーバーと同じ理屈で管理しようとしてしまう。特にファイルサーバーからの移行を考えるととかくファイルサーバーで当たり前だと考えていた理屈をそのまま持ってきてしまいがちです。

もともと、 SharePoint Server 2010 (2010年にリリース) の導入時あたりからずっと懸念してきたことで、今に始まった話ではありません。Microsoft 社は Windows サーバーを持っており、多くの組織でファイルサーバーとして利用してきたわけです。ですが、皆さんによく考えてほしいのが、Windows ファイルサーバーと全く同じものを SharePoint という製品上に果たして実装するだろうか? ということです。

そもそも、ファイルサーバーが完全無欠で非の打ちどころがなかったのか? 課題があるはずではないのか? 課題があるのに「使い慣れているから」という理由で、情報共有を改善しようと真摯に向き合ってこなかったのではないか? 私自身、Microsoft 認定トレーナーとして Windows Server OS の研修に長年携わってきていましたので、共有方法、権限の管理方法などの基礎はしっかり把握できています。だからこそ、「Windows サーバーはこうなっているのに、SharePoint はどうしてこういう仕組みになっているんだろう」という疑問と好奇心からいろいろな観点で物を見られる。

無論、組織の規模や使い方によってはファイルサーバーと同じ使い方でなんら問題もないということもあるでしょう。ファイルサーバーを完全に否定しようという話ではありません。

ですが、やはり根本には立ち返りたい。

そもそも、ファイルサーバーが使われ始めたころ何が重視されたかを考えてみると、おそらく各自が紙で管理したり紙でなくとも個人がPC上で抱えてきた情報を収集し共有することだったはず。

ファイルサーバーへの情報の集積

そして、次の段階として考えるべきは「集めてきたのはいいけど、これをどうやって見やすくしようか、探しやすくさせようか」という話です。今この段階に来ています。

ということで、まずはよくある課題を色々と考えてみしまょう。

 

階層管理の限界

(2020年の記事でも書いていますが) 情報が一か所に集まることで今度は探しにくくなるため、ファイルサーバーでは分類する(小分けにするともいえる) ためにフォルダーを使って階層管理をするわけです。そこで多くの組織でとった方法が部署ごとにフォルダーを分けて階層化していくことです。とはいえ、部門が同じでも同じ業務をしているわけでもなく、他部門と共有すべき情報もあったりもします。そうなると、ひとによっては見ていいもの見てはいけないもの、編集できるものできないものなどが混在していく。さらにフォルダーを分けて階層化してというのが繰り返されていく。データが少なければ、まだ何とかなりますが、長年、多くの人が使っていれば、複雑な階層と権限構成になっていくのは火を見るより明らかです。

各フォルダーに個別の権限を細かく設定していくわけですが、たとえば、組織改編があるとそのたびに棚卸と再設定を行う必要がある。さらに、ユーザーはフォルダーへのショートカットを作って利用しているので、フォルダー名が後から変更できない。こっちのカテゴリのフォルダーにも関わりがあるし、あっちのカテゴリのフォルダーにも関わりがあるからと同じファイルをコピーして複数個所に置き、同じ目的のファイルのはずがそれぞれで更新されて、どれが正しいかよくわからない。思い思いに作成するので階層がとても深くなる。すると一覧性が損なわれるので、どこに何があるのかを作った本人しか把握できない。そんな状況が長年続くと、「このフォルダーって何に使っているんだろう」と深いフォルダー階層を辿っていってみたところ、ファイルが何も入っていなかったり、すでに退職した人が作成した使っていなさそうなファイルがあちこちにあったり。。。しかもバージョン管理するために、類似したファイルのコピーが複数出来上がり、ファイルの末尾に日付とともに最終版、最終版2などともはやどれが最新版かわからない。

これがよく言われるサイロ状態。

探すための手がかり

ファイルサーバーでの管理のそのほかの問題点としては、探す側は手がかりが少ないことです。探すときに頼りになるのは基本的にはフォルダー名とファイル名です。これだけの手がかりで膨大な情報量の中から、目的のファイルを見つけなくてはいけない。そのため、一度見つけたフォルダーやファイルを見失わないようにデスクトップ上に山のようにショートカットを作っていく。

ちなみに作った本人も探しにくくなるので、フォルダー階層をさらに作ったり、複雑な名前を付けたり。変更するたびにファイル名の末尾に日付を入れ、さらにはどこを変更したかという変更履歴のような情報もファイルに含まれているケースも見ます。

一覧できないことによる問題

階層化すること簡単にはファイルを全体を一覧できなくなるというも非常に問題です。フォルダーにしまわれているファイルを探すときに、どこに何が入っているかさっと確認できません。箪笥の引き出しを一つ一つ空けていくのと同じです。情報を探し出すのに手間取ったり、最悪、たどり着けない。

一覧できないと、実は検索にも影響します。どこに何があるのか分かっていなければ、キーワード検索するときに何を手かがりに検索していいかひらめきにくいものです。

ちなみに、SharePoint での検索に不満を抱いている人は比較的多いと思いますが、検索はある程度、情報の整理整頓やチューニングしないと欲しいものが見つかりません。チューニングというと、類似する情報をサイトごと、ライブラリごとにきちんとまとめるとかメタデータを活用するといったことをしっかりと踏まえていくことです。

「えっ、チューニングしないと使えないの?」と思う人もいるでしょうが、家の中だってある程度片付いていないと物は見つかりません。探したいものが人によっても異なりますし、魔法使いじゃあるまいし、そう都合よくはならない (いろんな人の要望をすべて満たすのは至難の業です)。いろんな人が雑多に情報を放り込んでいるわけですから、ある程度、検索しやすいように整理整頓しないと。もちろん、SharePoint で使われている検索エンジンに課題がないわけではありません。一般的に検索エンジンでは、日本語、中国語、タイ語など単語の間に空白を入れない言語圏は特に検索のときに、どこで単語を分かつべきかを判断させるのが難しいといわれています。ただ、この点については AI による学習がずいぶん進んできているので、ひとによって欲しい情報が優先的に見つかるように、改善は進んでいくと思います。

共有した情報は本当に相手に届いているのか? 

そのほかにもこんな課題が。

A:「こういう情報がほしいんだけど。どこにありますか?」
B: 「ここに置いているんだからちゃんと見てください! 」

というやりとりもよくあります。情報提供側はきちんと共有しているのに肝心な相手に届いていない。見ていない人が悪いという理屈でいてはダメです。情報過多になっているのに、時間をかけて情報を探していられない。見つけやすくする工夫、届けやすくする工夫が必要です。だからと言って、メールで通知する方法をとることも多いのですが、メールが埋もれてしまう。発信者のタイミングで一方的に送られても来ます。本当はその情報が必要になるのは、人によってはもっと後かもしれない。それでも確実に読ませるために回覧板形式で未読既読を確認するという方法をとるもありますが、碌にに読んでいなくても既読にはできるので、そこまで効果的かどうかは疑問です。

情報を欲する側が適切なタイミングで、情報を見つけ出せるように一工夫欲しいところ。

SharePoint を生かしたファイル管理とは?

SharePoint では単なるファイル共有にとどまらず、バージョンを重ねるごとにドキュメント管理機能が強化されてきました。SharePointは特定の業種業態をターゲットにしているわけではなく、どんな分野においても汎用的に使える情報共有の仕組みとして利用できるように考えられています。ですから、従来通りのファイルサーバーと同じようなフォルダーによる仕分けもできますが、それ以外にも色々とファイルを見つけやすくする工夫ができるようになっている。これをうまく活用することが大切です。それと併せて、この際、権限管理を抜本的に見直したい。

より一歩進んだ効果的なファイル共有を目指すなら次のポイントを押さえておく必要があります。

✅フォルダーは極力利用せず、メタデータを利用して分類する
✅データの分類には AI を利用できることも知っておく
✅検索機能を使って、格納場所に制限されず様々な切り口で情報を収集できるように準備する
✅権限管理はシンプルさを保つ

メタデータを使うことで、情報を格納されている場所だけではなく、情報の性質も踏まえて分類できるようになります。メタデータとは、ファイル名以外に追加する情報のこと。ファイルサーバーの場合は、ファイル名、作成日、更新日、作成者、更新者など決まった属性情報がありますがメタデータを利用するというのはこれらに加え、ユーザーな好きな情報を追加できる。例えば、ファイルの説明、顧客名、製品名、プロジェクトコード、ファイルの分類、機密度など。こうした情報をファイル名以外に複数持たせることができるれば、柔軟に仕分けられるわけです。こうした情報は場所に縛られないので、任意のサイト、任意のライブラリで同じメタデータ持たせることができる。そうすると複数の場所に分散されている「提案書」なども検索機能を使って一覧できるようになります。Power Platform の AI Builder を使うことでコンテンツの自動判定も随分とできるようになっています。単に、コンテンツを「契約書」だとか「請求書」として判断するだけでなく、ファイルの中の情報を抽出してメタデータとして設定するところまで自動化できます。また、機密情報が含まれているかどうかは Microsoft 365 コンプライアンスを組み合わせることで自動判定もできるようになってきています。また、情報は増える一方です。細かい権限管理をしていては追いつかない。SharePointの場合は、なるべくサイト単位で管理が完結するのが望ましいです。ファイル単位ではなく。となるとどのようにサイトを分けるかを、かなり慎重に考えていく必要があるわけです。あとはメタデータはライブラリの列として実装していくため、メタデータの持たせ方でライブラリを仕分けていきます。

見つけやすくする工夫は拙著の書籍にも色々とヒントを書いています。

結局、フォルダー階層が作れるからといってファイルサーバーと同じ発想でいたら、課題もそのまま引きずります。そもそも「移行」という言葉は誤解を招くと私は考えており、新たな環境に「再構築」するという方が適していると思います。

そのためには、ユーザーに対してもSharePoint を導入するメリットとして「ファイルサーバーでこんな課題があるでしょ。これを何とか改善していこうと思います。例えば、こういった機能があるので使いたい。ぜひ、協力してほしい」という話を伝える努力も必要です。とはいえ、現場は色々と既存の使い方を変えたくない、新しいことを覚えたくないという気持ちが強いのも事実で(全員ではもちろんありませんが、総じて)、そういった方々には「現状であと20年、30年とこのままでいいと思っている? 後輩たちにこの環境を残していくのが本当に最善なの? 」ということを問いたい。自分たちだけ良ければ、それでいいのかということです。これを導くには、強力なリーダシップが必要で周囲のメンバーの理解、上長や経営層の理解など必要です。ですが、この辺りは地道に仲間を増やして改善に向けて進んでいくしかないと思います。

Word, Excel, PowerPoint のファイルの拡張子を最新版にしよう

現場を見ていると doc, xls, ppt などといった古い拡張子を使っているのをよく目にします。現在の最新の拡張子は、docx, xlsx, pptx など最後に x が付くものです。最新といっても、この拡張子は Office 2007 から導入されているので、もうかれこれ15年は経過しています。最新のファイルフォーマットにすることで、古い拡張子を利用するよりもファイルサイズも小さくなりますし、SharePoint 上でブラウザー表示したり、共同編集したければdocx, xlsx, pptxなどにしておかなくては恩恵が得られないことが多いので、見直しましょう。

バージョン管理の有効利用

よく目にするのがファイルサーバーと同様にファイル名の末尾に保存日を書いて、念のためにと複数ファイルを保管すること。これは自分だけが使っている OneDrive for Business 上ならまだしも、他の人に公開する場所にバックアップファイルを置くのはお勧めしません。どれが最新であるか、わかりません。検索結果にも類似するファイルが沢山表示されることになります。

SharePoint ではバージョン管理が自動でできるようになっているので、ファイル名はそのままに30分まえ、1日前などの状態に戻せます。ファイル名の末尾に日付を入れる必要がない。そもそも、自動保存をしていると日付も正しくないでしょうし確実性にも乏しい。バックアップ用の日付をファイル名に入れるのはやめましょう。

バージョン管理機能はうまく使えば、他のユーザーと不定期にファイルを更新していくような運用でも、2,3か月の間であれば、いつだれがどのあたりを変更したのかも確認できるようになっています。

なんでもファイルにしなくてはいけないという思い込み

これは研修でもよく話をするのですが、なんでもファイルにして管理しなくてはいけないわけではありません。

ファイルにするのが当たり前という発想でいる組織を見ていると、たった一行のコメントともにファイルが添付してあるニュースが投稿されていたりします。ですが、よく見ると直接ページに書いて共有するだけで事足りるのでは? と思うことも非常に多い。印刷して持ち出す必要がなければ SharePoint のページを使いましょう。今の SharePoint は以前と異なり、直感的にページを作成できます。画像やファイルもドラッグ&ドロップできます。

さらにページにしておけば、ファイルのようにメールに添付したり USB に落としたりということが簡単にはできません。悪意を持ってスクリーンショットを撮ったりするのはまた別の話で、あくまでも不用意に情報を外に出してしまうことが少なくなるという意味です。

権限管理とサイト、ライブラリとメタデータを使った分類

権限管理はシンプルなのが一番です。よく「柔軟に管理できます」という言葉を耳にしますが、細かい管理をすることが当然ととらえるべきではないでしょう。情報量はこれからも増え続けます。見通し良く、シンプルに管理できるようにサイト設計と運用を考えることが大切です。間違っても、フォルダーをたくさん作成して、そこに権限をどんどん設定していく運用は避けたいところ。サイトで分ける、ライブラリで分ける。この辺でまずは権限を管理できるようにして、フォルダーやファイルには直接権限を付与しないようにすること。これがうまくいかないのであれば、最初からサイト設計を見直す必要があるのかもしれません。

フォルダー作成はなるべく作らないこと。作るなら階層は1,2 階層程度まで。あとは、ライブラリにうまくメタデータを設定して運用していく。ライブラリに任意の列を追加するわけです。そうすると Excel のスプレッドシートのように複数の列の条件で絞り込めるので、分類も柔軟に行えます。フォルダーは属性という観点で見れば1つのみでありしかもファイルにべたっと従属するわけではないので移動してしまうと属性が途端に変わってしまいます。しかし、メタデータを活用するならフォルダー構造を意識することなく、複数の属性が設定できるのです。また属性は移動させても場所を問わずついて回ります。

ファイル管理をしっかり行いたい方は「コンテンツ タイプ」の概念は必ず学んでおくようにしてください。見積書、契約書、請求書だといったドキュメントの種類を仕分ける仕組みがコンテンツ タイプであり、これもメタデータの一種です。

[社内規程の例。"社内規程の分類" という列を追加している。この列でグループ化もできる。]

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[メタデータを使って、ドキュメントをカード形式で表示している]

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[用語セットを使えば、メタデータの階層化も可能]

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[Power Automate, Office Scripts を組み合わせて Excel ファイルの内容を自動的に抽出して列の値として設定することもできる]

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検索の仕組みを利用する

検索の仕組みは単にキーワードを入力してファイルを見つけ出すことだけではありません。ニュースWebパーツ、イベントWebパーツ、サイトWebパーツ、強調表示されたコンテンツ Webパーツなども検索機能を使って異なるサイトの情報を集約できるようになっています。できるだけ、サイト単位での権限で運用できるようになっていれば、最小限の管理だけでユーザーに対して参照していい情報だけを見せることができます。検索の仕組みを利用するときには必ずユーザーの閲覧権限は確認されるため、権限を適切に設定していれば検索結果でも不必要に情報が公開されることはありません。

つまり、フォルダーで仕分けなくても、必要なタグが付いていればどこに格納していてもいろいろな切り口で収集できるのです。

Microsoft 365 コンプライアンス

ファイルを共有するだけではなく、ファイルごとに機密性を判別し、個人情報や銀行の口座番号などが含まれるファイルがないかどうか捜索、外部に漏れないように保護したりするには Microsoft 365 コンプライアンス機能を利用できます。SharePoint 上でのアクセス権限管理と組み合わせて利用します。情報の暗号化、保持期限の設定なども Microsoft 365 コンプライアンスの仕組みで対応できます。他にも、ライセンスによっては社内のコンプライアンスに則り、ハラスメントなど含んだ情報がないかもチェックすることもできます。

SharePoint でのファイル管理を行うなら、権限管理、メタデータ、検索に続いてMicrosoft 365 コンプライアンスも学んでおくとよいでしょう。コンプライアンス機能を利用する場合もメタデータと検索の知識が必要になることがあります。

 AI とドキュメント管理

これをさらに推し進め、現在は SharePoint Syntex  (シンテックス)という名前で AI を組み合わせた高度なコンテンツ管理ができるようになってきています。

📎Microsoft SharePoint Syntex の概要 | Microsoft Docs

この機能は Power Platform で提供される AI Builder などを組み合わせることで事前に構築された機械学習モデルを使って、ドキュメントが格納されたら内容を解析し、分類し(コンテンツ タイプの割り当て)、内容からメタデータを抽出してプロパティにセットするところまで自動的に行ってくれます。メタデータを設定するときに課題になるのが、設定するのが面倒だということ。こうした問題を少しでも解決できます。

特に分類については、秘密度ラベルや保持ラベルも同時に設定してくれるので、契約書を自動的に社外秘扱いで管理できるようになったり、削除期限が自動適用されたりするのです。

今年に入ってからアップデートで追加されたのが、コンテンツ アセンブリ機能。これにより、既存のデータを使って新しくファイルを生成しようというものです。共有されているデータは有効活用するために再利用しよう。例えば、Word で契約書のひな型を作り、そこに既存の顧客データなどを流し込み新しいデータを生成するという仕組みです。現時点では、ひな型に流し込めるデータは新規作成時に手入力するか、SharePointリストのデータを利用できますが、近く外部データもサポートする予定があるそうです。

📎SharePoint Syntex のモダンテンプレート機能 (ファイル管理機能) (weblogs.jp)

ドキュメントをただ共有するのではなく、解析し有効活用できるように仕分け、データ抽出、再利用までを考えているこうした仕組みはファイルサーバーだけで管理していた時代と比較すると隔世の感があります。

※まだ、主な対応言語は英語だけですが (2022年4月現在)、日本語対応も少しずつ進んできています。

SharePoint Syntex に関しては以前、「.NET ラボ勉強会」でこの内容で登壇させていただきました。関連ブログは下記をご覧ください。

[.NETラボ勉強会] SharePoint Syntex についてのセッション録画および資料公開 (weblogs.jp)

また、今年の Microsoft 365 Virtual Marathon 2022 でも「SharePoint Syntex を使ったドキュメント管理」というそのものずばりの内容で登壇予定です。オンラインのイベントで参加費は無料です。ぜひ、ご参加ください。

Microsoft 365 Virtual Marathon 2022 - 今年も開催します! (weblogs.jp)

組織としての取り組み方について思うこと

ここまで個人的な見解ではありますが、SharePoint を生かしたファイル管理がどういうものなのかを手短に(とはいえ長いですが) 説明してきました。

難しいなと感じたかもしれませんが、色々と取り組み方があることを紹介したかっただけで、必ずしもすべてを使い切ることが使いこなすことではありません。目標を掲げ、どの手段、ツールを使えばそこに近づけるか、もしくは到達できるか言う話です。組織によって目標値は異なるはずですが、近い将来だけみているのと、中長期的な将来を見据えて今を考えるのとでは意味合いが大きく異なってきます。

また、従業員の多くは変化を好みません。組織には「イノベーションが大切だ!」とずいぶん前から言われてきていますが、いつも言われるように大きな変革には痛みを伴います。抵抗勢力も多い。そこを納得してもらいながら進めていくのは大変な労力です。そのため、「使い勝手を大きく変えたらユーザーがびっくりする」とか「うちの従業員はリテラシーが低いから、こういう操作はできない」とか「そもそも、経営層から理解が得られない」などいろいろあるでしょう。

本気で取り組む必要があるかどうかは最終的には組織の判断です。もし、改善する気持ちがあるなら生半可な気持ちでは結局何も進みません。従業員のリテラシーの低さを嘆いて守りに入っていてもいつまでも改善はされません。少しずつでも、できるところから使ってみて、とにかくやってみること。子育てと同じで経験させないと人は育ちません。日ごろから課題意識が強く、情報のアンテナをたくさん持っている人や、特に新卒採用の人などは新しいシステムに抵抗があまりないものです。どう取り組もうか、という好奇心が勝る。こうした人たちを組織は大事にし、原動力として少しずつでも改革が進められればと願ってやみません。

また、現在までの課題を洗い出し、どう改善をしていくかを考えるのは IT部門の人だけの仕事ではありませんし、外部の人に丸投げすべき仕事でもありません。現場のユーザーの方が主役であるはずです。現状維持ではなく、もっと改善できるはずという思いを持ってほしい。そしてIT部門はそこに知恵を貸し、時には手を貸す存在であってほしい。おんぶにだっこではなく。

自分の所属する組織です。自分たちの手で良くしなくては! そして、組織は業務効率を上げていこうと努力する人たちをしっかりと支えていくべきで、そうした優れた人材を組織に長く定着させることが大切だと思うのです。

そうあってほしいと望みます。

関連コース

弊社で実施しているオリジナル研修も掲載しておきます。自分だけで学ぶのは大変だと感じたら、是非こうした研修も活用してみてください😊

 

SharePoint: ファイルを更新することなく閲覧だけするには?

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SharePoint General FileManagement

SharePointのドキュメント ライブラリで共有されているファイルをブラウザー開くとき、編集権限があるとただ閲覧したかっただけでも開いただけで自動保存され自分が更新したことになる。そのため更新日が変わり更新者名に自分の名前が載ってしまうという経験をする方も少なくないでしょう。

回避策

回避策は単純で閲覧だけしたいなら、ファイルの...から[プレビュー]をクリックすることです。プレビューをクリックすると SharePoint が搭載しているビルトインのビューアーでファイルを表示できます。これた文字通りビューアーなので直接は編集できません。編集する必要があれば、[開く]メニュー等から適切に操作していきます。

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直接開いたときにいきなり自動保存されないようにできないか?

とまぁ、ここまでの説明だと「えー、面倒。ファイルサーバーみたいに保存しなければそのまま閉じられるようにしてほしい」と思うこともあるでしょう。

ですが、ここには Microsoft 側の紆余曲折があるので、それを知れば少しは腹落ちするのではないかと思います。

そもそも初期のころは編集権限があったとしても、ファイル名をクリックしたときのブラウザ表示の挙動は「読み取り」モードでした。ただ、これにより多くのユーザーが「編集できないんだけど?」と問い合わせてくることが多かった。編集するには[編集する]をクリックしないと編集できないわけです。そこで、既定値を編集権限があったらいきなり編集モードで開くように変えた。

そうすると次に、「じゃあ、自動保存させなきゃいいじゃないか」という声も聞こえてくる。ですが、よく考えてみてください。ブラウザーで編集しているとき、つい癖でうっかりとブラウザーごと閉じてしまうことはありませんか? そうすると、自動保存されていなければ、すべてが水の泡。そうした誤操作防止の意味合いも含め「自動保存」になっているわけです。この話はブラウザーに限った話ではなく、デスクトップ版の Office を利用している場合でも自動保存できるようになっていますね。ただ、デスクトップ版の場合は自動保存のオンオフができるのが違いではあります。ブラウザー版は編集権限がある人に対しては自動保存はオフにはできません。

実質的には単に閲覧しただけで、仮に更新者が上書きされたり更新日が変わったとしても内容に変化はないわけで、実害はほとんどないはずです。それよりもせっかく、長い時間かけて書いたのに保存されていなかった方が業務に対するネガティブインパクトが大きい。

そんなこんなの紆余曲折があり現在に至っています。もちろん、私は開発者ではなく単に経緯を見てきたユーザーにすぎませんが、こうした状況を踏まえてひと手間かかりますが、単に閲覧したいだけなら「プレビュー」機能を使いましょう! 

 
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